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M&Aトピックス
- 2021/03/09
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日本製鉄、東京製綱への敵対的TOBが成立
日本製鉄は9日、東京製綱に対して実施したTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。日本製鉄は東京製綱株の所有割合を従来の9.91%から19.91%に10%引き上げることを目指したが、東京製綱が反対を表明し、敵対的TOBに発展していた。買付予定数の162万5500株(所有割合10%)を上回る214万2516株の応募があった。
日本製鉄は1株1500円を提示し、1月22日から3月8日まで買い付けた。東京製綱の業績が低迷していることから、株式を買い増して経営への発言力を高めることを狙いとした。これに対し、東京製綱は日本製鉄がTOB後の所有割合を20%をわずかに下回る水準にとどめ、持ち分法適用関連会社としないことについて「サプライヤー(原料供給者)としての利益を追求する恐れが将来にわたって継続する」などと懸念を示していた。
東京製綱はエレベーターやロープウエー、クレーンなどに使われるワイヤロープ最大手。日本製鉄から長年、主要原料の線材を調達する関係にある。