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M&Aトピックス
- 2023/12/18
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日本製鉄<5401>、米鉄鋼大手のUSスチールを2兆円超で子会社化
日本製鉄は18日、米国大手鉄鋼メーカーのUSスチール(ピッツバーグ。売上高2兆9936億円、営業利益4490億円、純資産1兆4653億円)を買収すると発表した。141億2600万ドル(約2兆75億円)を投じて、全株式を取得する。日米をまたぐ鉄鋼業界の大型再編で、日本製鉄として過去最大のM&Aとなる。買収により日本製鉄の粗鋼生産能力は6600万トンから8600万トンに拡大し、目標とする「1億トン体制」に前進し、現在の世界4位から3位に浮上が見込まれる。売却完了は2024年4~6月期または7~9月期を見込む。
日本製鉄は2018年にインドのエッサールスチール、2022年にタイのGスチール、GJスチールを傘下に収め、世界戦略を推し進めてきた。これに続き、今回、先進国の米国にも鉄源一貫製鉄所を持つことになる。
米国の鋼材市場は輸出に依存しない国内需要中心の供給構造で安定的な伸びが見込まれる。さらに、先進国最大の市場としてEV(電気自動車)のモーター用電磁鋼板など高級鋼の需要が期待でき、日本製鉄の技術力・商品力を生かせると判断している。
日本製鉄は米国子会社を通じて、USスチールを買収する。USスチールは1901年に設立した高炉・電炉一貫鉄鋼メーカーで、自動車、家電、建築用などの薄板や、エネルギー分野向け鋼管を主力とし、米国と欧州(スロバキア)に生産拠点を持つ。
日本製鉄の2023年3月期業績は売上高7兆9755億円、営業利益8836億円。USスチールと合わせ、売上規模は10兆円を超える巨大鉄鋼メーカーが誕生する。