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2023/11/24

大正製薬ホールディングス<4581>、MBOで株式を非公開化|7077億円超と過去最大規模

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大正製薬ホールディングス(HD)は24日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。オーナー家出身で現在副社長の上原茂氏(傘下の大正製薬社長)が設立した買収目的会社の大手門(東京都豊島区)がTOB(株式公開買い付け)を行う。買付代金は7077億円で、MBOを目的としたTOBとして過去最大。短期的な株式市場からの評価にとらわれず、事業構造の転換を迅速かつ果敢に推し進めるためとしている。大正製薬HDは一般医薬品(大衆薬)の最大手で、風邪薬「パブロン」やドリンク剤「リポビタンD」などで高い知名度を持つ。

大正製薬HD株の買付価格は1株につき8620円で、TOB公表前営業日の終値5515円に56.30%のプレミアムを加えた。買付買付予定数は8210万50株。下限は所有割合66.57%にあたる5465万900株。

筆頭株主の上原記念生命科学財団、第2位株主の上原昭二氏(大正製薬元社長・会長、現名誉会長)をはじめ、同社株を40%超を保有するオーナー家はTOBへの応募を決めている。大正製薬HDはTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。

買付期間は11月27日~2024年1月15日。決済の開始日は2024年1月19日。公開買付代理人はSMBC日興証券。

主力の一般医薬品は国内人口の減少などで伸び悩みが見込まれ、アジア市場の開拓を重点課題としているほか、健康食品、化粧品など健康関連商品への領域拡大が急務になっている。

大正製薬HDの前身は1912年、初代社長を務めた石井絹治郎氏が創業した大正製薬所。1948年に大正製薬に社名を変更し、1963年に東証2部に上場。1966年に東証1部に昇格(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。2011年に持ち株会社制への移行に伴い、大正製薬HDが発足し、傘下に中核事業会社の大正製薬を置く。

創業者の石井絹治郎氏に引き立てられた上原正吉氏が1946年に第3代社長に就任。これ以降、上原家が事実上のオーナー家として代々、大正製薬の経営のかじ取りを担ってきた。TOBが成立後、大正製薬HD社長に上原茂副社長(上原明・現社長の長男)が昇格する予定。

大正製薬HDの2023年3月期業績は売上高が前期比12.4%増の3013億円、営業利益は同2.14倍の230億円、最終利益は同44.8%増の189億円だった。売上高の87%を一般医薬品とドリンク剤を中心とするセルフメディケーション事業が占め、これに医療用医薬品事業が続く。