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M&Aトピックス
- 2024/05/15
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エスライングループ本社<9078>、MBOで株式を非公開化
エスライングループ本社は15日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。同社の山口嘉彦社長が設立した買収目的会社のトモエ(岐阜市)がTOB(株式公開買い付け)を行う。買付代金は最大約141億円。エスラインは岐阜県を地盤とする路線トラック輸送の中堅企業。ドライバー不足や物流の「2024年問題」などに直面する中、輸送網の充実や物流サービスの拡大と合わせ事業構造の抜本的な改革を進めるには短期的な業績や株価動向にとらわれない経営体制が必要と判断した。
買付価格は1株につき1460円。TOB公表前日の終値1269円に15.05%のプレミアムを加えた。エスラインはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、エスラインの東証スタンダード・名証プレミアム市場への上場は廃止される。
買付予定数は965万3387株。下限は所有割合54.28%にあたる595万8360株。山口氏ら親族の資産管理会社で筆頭株主の美美興産(岐阜市)は所有する12.06%の株式についてTOBに応募しない。
大垣共立銀行、みずほ信託銀行、十六銀行など29の法人株主と、山口氏の親族ら個人株主は所有する合計43.75%(うち法人株主は30.05%)の株式をTOBに応募を決めている。
買付期間は5月16日~6月26日の30営業日。決済の開始日は7月3日。公開買付代理人はみずほ証券(復代理人は楽天証券)。
エスライングループ本社は長距離トラック輸送を柱に、小口貨物・宅配便「スワロー便」などを展開する。同社の前身は1938(昭和13)年に岐阜トラック運輸として発足。戦後、1947年に岐阜合同産業として再出発し、数度の社名変更を経て、1980年に名証2部に上場。2006年、持ち株会社制移行に伴い、エスラインに社名を改めた。
2018年に東証・名証の各1部(2022年4月に東証プライム・名証プレミア市場に移行)に上場。2023年7月に現在のエスライングループ本社に社名を変更した。