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M&Aトピックス
- 2024/07/12
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燦ホールディングス<9628>、「家族葬のファミーユ」を展開する、きずなホールディングス<7086>をTOBで子会社化
燦ホールディングスは12日、「家族葬のファミーユ」を展開する葬儀会社のきずなホールディングスに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。葬儀事業の拡大の一環。高齢者人口の増加を背景に、葬儀ニーズの継続的な増加が見込まれる一方、近年、葬儀の小規模化・簡素化の傾向が続いているのに対応して家族葬向けの領域を強化する。買付代金は最大149億8300万円。
買付価格は1株につき2120円。TOB公表前日の終値1388円に52.74%のプレミアムを加えた。きずなはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、きずなの東証グロース市場への上場は廃止となる見込み。
買付予定数は706万7476株。下限は所有割合66.43%にあたる469万4700株に設定した。投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)は傘下の複数のファンドを通じて所有する合計44.95%のきずな株についてTOBに応募する。
買付期間は7月16日~8月27日の30営業日。決済の開始日は9月2日。公開買付代理人はSMBC日興証券。
きずなホールディングスの前身は2000年にエポック・ジャパンとして東京都内に設立。家族葬という新ジャンルの葬儀に乗り出し、「家族葬のファミーユ」ブランドを確立した。今年5月末時点で、全国33都道府県でサービスを提供している。2020年に東証マザーズ市場に上場(2022年4月に東証グロース市場に移行)。
アドバンテッジパートナーズは2015年、創業者からの事業承継に伴い、同社を子会社化して経営を主導してきた。
燦ホールディングスは傘下の公益社(大阪市)を中核とする専門葬儀社最大手。2023年3月には、小規模家族葬向けの新葬儀ブランド「エンディングハウス」を立ち上げた。2022年に策定した「新10年ビジョン」では葬儀事業の拡大をテーマに、葬儀会館の出店エリアを現在の関西・首都圏・山陰圏から全国規模に広げ、2032年までにグループ全体で210会館(現在91会館)まで増やす方針を打ち出している。